森岡家文書
Morioka
本文書は、石川県輪島市黒島町の北前船主であった森岡家に伝来した文書である。 北前船は18世紀後半から19世紀の日本の物流を支えた存在で、黒島には多くの北前船主が居住していた。船主は、何艘もの船を持ち、北海道や畿内を往来して、米や肥料、砂糖や衣類などの商品を輸送、売買し、遠隔地域間の価格差を利用して利益を得た。森岡家はその代表的な家の一つである。
今回は、森岡家文書(輪島市所蔵)のうち、こうした海運関係の文書53点について、デジタル化・公開した。特に、船の新造と修理について記録した延享3年(1746)から嘉永6年(1849)までの作事帳は、当時の造船に関する費用や材料、技術などがわかる貴重な史料で、輪島市の文化財に指定されている。
本事業は、文化庁地域文化財総合活用推進事業(2019〜2021、2023年度)により行われた。